ベーシックインカム社会実験の結果
そもそもベーシックインカムとは?
フィンランドでベーシックインカムの社会実験が行われていて,その結果*1が話題になっているようだ.
- 国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想。
- 生存権保証のための現金給付政策は、生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されているが、ベーシックインカムでは、これら個別対策的な保証を一元化して、包括的な国民生活の最低限度の収入(ベーシック・インカム)を補償することを目的。
- 従来の「選択と集中」を廃止し、「公平無差別な定期給付」に変更するため、年金や雇用保険、生活保護などの個別対策的な社会保障政策は、大幅縮小または全廃することが前提となる。
- 包括的な現金給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償で現金を給付するイメージから社会主義的と批判されることがあるが、ベーシックインカムは自由主義・資本主義経済で行うことを前提にしている場合が多い。
最低限の保障はみんなに平等に現金であげるから,あとは自由にしてね!という発想なんですかね.私個人としては賛成なのだが,生活保護の方や年金生活者の方は減額されそうなので,反対されるのでは?
フィンランドの社会実験の結果
結果としては,あまり良いとは言えないのでは?おそらく,「就労意欲は改善するという期待」があったはずなので.もちろん,Preliminary(予察的な)結果ではあるが….
参加者の就労状況はそれほど改善されなかったものの、自分で感じる健康状態やストレス度は他のグループよりも良かったそうです。
自分で感じるストレス度は良かったということで,やはりお金が原因でストレスを感じていたのかな?ストレスに対する薬よりも効果があるかどうか知りたいところだ.結局,お金をもらえると嬉しいということなんだろうな.
日本はどうか?
日本だけではないが,竹中大先生は必要だと仰っている.
生活保護や年金の問題があるので,ベーシックインカムで解決しようということだ.
社会保障制度改革や労働市場改革は積み残された。日本を含め、世界では格差を超えて絶望的な社会の分断が進んでいる。しかし、どの国も有効な政策を打ち出せていない。究極的には、政府が最低限の所得を支給するベーシックインカムを導入するしかないと考えている。これにより年金も生活保護も必要なくなる。
私は年金や生活保護が無くなるのならば,ベーシックインカムに賛成だが,仮に現在の日本でベーシックインカムを導入するのならば,一人当たりいくらになるのか?一番の興味はそこだ.そして,その算出根拠も知りたい.年間84万円という試算もあるようだが….実際問題として,もし日本で行った場合,大してもらえない割に年金も生活保護も無くなって,むしろ不満が噴出するんだろうな…(苦笑)日本で導入するには,社会保障が手厚いだけに,なかなかハードルが高い気がする.
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
- 作者: 原田泰
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